蓄電池の補助金|国のDR補助金は終了・家庭用で今使える国2制度と東京都の実額【2026年度】

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「蓄電池の補助金」を調べると、いろんな情報が並びます。60万円と書いてあるページもあれば、120万円と書いてあるページもある。すでに終わった制度を、いま使えるかのように書いているページもあります。

混乱の原因はひとつです。蓄電池の補助金は「国の制度」と「自治体の制度」で別物であり、しかも国の制度は2026年5月に終わっているから。ここを分けずに金額だけ並べると、どれが自分に関係するのか分からなくなります。

この記事では、執筆時点の全体像を実施機関の公式ページで確認した内容で整理します。

制度実施蓄電池への支援額状況
DR家庭用蓄電池事業経産省/SII3.55〜3.75万円/kWh・上限60万円2026年5月29日に公募終了
戸建住宅ZEH化等支援事業環境省/SII蓄電システム 上限20万円/戸公募中(〜2026年12月11日・先着)
みらいエコ住宅2026事業国土交通省蓄電池 96,000円/戸公募中
家庭における蓄電池導入促進事業東京都10万円/kWh・上限120万円/戸受付中(都内の住宅のみ)

この表のポイントは2つです。

  1. 蓄電池だけを買って国からお金をもらえる制度は、いま存在しないこと。残っている国の2制度は、どちらも住宅そのものの省エネ工事とセットでなければ申請できません
  2. 住んでいる自治体によって受け取れる額が大きく変わること
目次

国の蓄電池補助金(DR補助金)は2026年5月に終了

まず、多くのページが「蓄電池の国の補助金」と呼んできた制度の現在地です。

正式名称は「令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)」。通称DR補助金、あるいはSII補助金と呼ばれてきたものです。SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)の公式サイトには、こう掲示されています。

2026年5月29日(金)に交付申請額の合計額が予算に達したことを確認したため、公募は終了しました。

注目すべきは期間です。公式の事業概要では、公募期間は2026年3月24日から12月10日までと設定されていました。それが5月29日に終わっている。9か月弱の予定枠が、約2か月で埋まったことになります。

項目内容(SII公式)
予算3事業合計59.6億円のうち54億円程度
公募期間(予定)2026年3月24日 〜 2026年12月10日
実際の終了日2026年5月29日(交付申請額が予算に到達)
補助上限額1申請あたり60万円
補助単価初期実効容量1kWhあたり3.55万円または3.75万円

再開についての告知はありません。次年度に同種の事業が組まれるかどうかは、予算が編成される時期まで誰にも分かりません。ただし今回のように、公募予定期間の4分の1ほどで締め切られる可能性があることは、次があった場合の前提として覚えておく価値があります。

DR補助金はいくらもらえたか

この制度は「最大60万円」という表現で広く紹介されました。実際にいくら交付されたのかは、SIIが公表している交付決定情報で確認できます。

交付決定(2026年8月19日更新)数値
交付決定総数8,508件
交付決定総額3,593,467,441円
1件あたりの平均約42万2,000円

総額を件数で割ると422,363円。宣伝されていた上限額の7割程度が、実際に交付された平均値です。

60万円を前提に資金計画を立てていた人は、平均像から見て3割ほど下振れしていたことになります。

上限60万円に届いたのは166製品中2製品

なぜ平均が上限に届かないのか。理由は補助金の計算式にあります。この事業の補助金額は、次の3つのうち最も小さい額でした。

  1. 補助金基準額 × 初期実効容量(kWh)
  2. 設備費と工事費の合計 × 3/10
  3. 1申請あたり60万円

ここで重要なのが1つ目です。カタログに載っている蓄電容量ではなく、初期実効容量(実際に使える容量)を掛けて計算します。当サイトがSIIの登録製品リスト166製品を全数集計したところ、初期実効容量は蓄電容量の平均83.0%でした(蓄電池の実効容量|SII登録166製品実測)。つまり計算の土台がカタログ値より約17%小さいのです。

この式で166製品それぞれの補助金額を計算すると、こうなります。

166製品の補助金額金額
中央値294,650円
最小101,250円
最大600,000円
上限60万円に到達した製品数166製品中2製品(ニチコンESS-T5Z1・ESS-T6Z1/ともに蓄電容量19.9kWh)

60万円に届くのは、登録製品のなかで最大容量クラスの19.9kWh機だけでした。よく選ばれるのは10kWh前後なので、満額60万円補助は少なかったわけです。

 

ちなみに蓄電容量9.5〜10.5kWhの登録製品は39ありますが、その初期実効容量の中央値は8.3kWh。補助金額の中央値は298,200円(最小259,150円・最大323,050円)でした。10kWh級を検討していた人が実際に受け取れた額は、おおむね30万円前後だったことになります。

補助単価は基準額3.45万円/kWhに評価加算が乗る

公募要領(SII)が定めていた基準額は3.45万円/kWh(初期実効容量あたり)。そこに、次の評価を満たすと単価が上乗せされる仕組みでした。重複して受けることもできます。

評価項目評価基準増額
① レジリエンス早期復旧・原因解明が可能な体制と、電池セル等の主要部品を迅速に供給できる拠点の両方が整っていること+0.2万円/kWh
② 廃棄物処理法上の広域認定製造・加工・販売等の事業者が蓄電池関連製品で広域認定を取得していること+0.1万円/kWh

 

ここで、登録された166製品の実際の単価を集計すると、面白いことが分かります。

適用された単価内訳製品数
3.45万円/kWh基準額のまま(加算なし)0製品
3.55万円/kWh基準額 + ②広域認定109製品
3.75万円/kWh基準額 + ①レジリエンス + ②広域認定57製品

基準額で登録された製品は、166製品中ひとつもありませんでした。少なくとも広域認定は全社が取得していたということです。つまり「この補助金は3.45万円/kWh」という説明は公募要領としては正しいものの、実際に受け取れる額としては必ず3.55万円以上だったことになります。

 

メーカー別の内訳はこうです。

メーカー3.55万円/kWh3.75万円/kWh
パナソニック(エレクトリックワークス社)23製品41製品
ニチコン32製品4製品
オムロン(ソーシアルソリューションズ社)21製品—
長州産業19製品2製品
シャープ10製品—
京セラ—6製品(全製品)
エリーパワー—4製品(全製品)
ハンファジャパン4製品—

出典

出典:SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」補助対象蓄電システム一覧(2026年8月22日取得・166製品)を当サイトが集計。

登録した全製品が上位単価だったのは京セラとエリーパワーの2社、製品数で最も多く上位単価を取っていたのはパナソニックの41製品でした。ただし制度自体が終了しているため、いま価格交渉の材料にはなりません。

DR補助金の条件

この制度は名前のとおり、蓄電池をDR(ディマンドリスポンス=電力の需給に合わせて充放電を調整する仕組み)に使うことが前提でした。申請者は蓄電池アグリゲーターとのDR契約か、小売電気事業者のDRメニューへの加入が必要で、蓄電池を設置しただけでは対象になりません。

手続きの面では、SIIの公式ページが「交付決定前に次の行為を行った場合は、事由によらず補助対象外」と明記していました。

  • 販売事業者との蓄電システムの契約・受発注・支払い
  • 蓄電システムの設置・据付工事
  • 代金の支払い(信販会社経由の着金も不可)

申請は、SIIに共同実施事業者として登録された販売事業者と一緒に行う必要もありました。「契約の前に申請する」「登録された業者から買う」「DR契約を結ぶ」——この3点は東京都の制度にも同じ型で入っています。次年度に同種の事業が組まれた場合も、この条件は前提として見ておいてください。

補助金に頼らず費用を抑えるには

補助金には期限・上限があります。私たち消費者側からは操作できません。では、私たち消費者が費用をおさえる方法はあるのか。1つだけあります。相見積もりです。

というのも、設置費用を左右するのは、業者の上乗せ料金です。製品のグレードによるものではありません。だからこそ、同じ製品・同じ条件で相見積もりことがとても重要です。

 

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今も使える国の蓄電池補助金2つ

「国の補助金は全部なくなった」と結論づけるのは、正確ではありません。蓄電池に補助が出る国の制度は2つ残っています。ただしどちらも住宅の性能を上げる工事とセットであることが条件で、蓄電池だけを設置して申請することはできません。

① 戸建住宅ZEH化等支援事業(環境省)

新築でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を建てる、または購入する場合の制度です。住宅本体への補助に、設備ごとの加算が乗る構造になっています。

区分補助額
『ZEH』1〜3地域 55万円/戸、4〜8地域 45万円/戸
『ZEH+』1〜4地域 90万円/戸、5〜8地域 80万円/戸
蓄電システム(加算)上限20万円/戸
公募期間(一般公募・単年度)2026年5月21日 〜 2026年12月11日
公募方法先着方式

条件がひとつあります。選択要件として蓄電システムを導入する場合は、初期実効容量5kWh以上であることです。

ここでも蓄電容量ではなく初期実効容量で線が引かれています。カタログ上6kWhの製品でも、実効容量が5kWhを下回れば要件を満たしません。実効率が73%の製品なら、蓄電容量6.8kWh以上ないと5kWhに届かない計算です。

また、SIIに登録されたZEHビルダー/プランナーが建築・設計・販売に関与している住宅であることも要件です。これから工務店を選ぶ段階なら、登録の有無を先に確認しておくと選択肢を狭めずに済みます。

② みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)

既存住宅のリフォームで使える制度です。「住宅省エネ2026キャンペーン」を構成する4事業のひとつで、エコ住宅設備の設置に対する補助のなかに蓄電池が含まれています。

設備補助額
蓄電池96,000円/戸
高断熱浴槽48,000円/戸
太陽熱利用システム45,000円/戸

蓄電池の補助額は設置台数によらず一律96,000円です。対象となる製品の条件は、公式にこう定められています。

「定置用リチウム蓄電池のうち、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)において令和4年度以降登録・公表されている蓄電システムであること」。

 

ここはかなり重要です。SIIの登録リストは、DR補助金が終わったあとも、この制度の対象製品を決める基準として生きています。「SII登録製品」であることには、いまも96,000円分の価値があるということです。

ただし条件は厳しいです。この事業のリフォーム補助は「要件化工事」が必須で、その定義は「対象となる住宅における、外皮に面する開口部を有する1つの居室において、本事業においてあらかじめ定めた組み合わせで実施される工事」。つまり窓(開口部)の断熱改修と躯体の断熱改修が前提で、蓄電池だけを設置しても申請できません。

逆に言えば、もともと断熱リフォームを検討していた家庭にとっては上乗せで取れる補助です。1戸あたりの補助上限は、住宅の新築時期によって次のように決まっています。

新築時期義務基準工事次世代省エネ基準工事
平成3年以前100万円50万円
平成4〜28年80万円40万円

なぜ「蓄電池単体」の国の補助は残らなかったのか

制度の目的を見ると理由が分かります。終了したDR事業は、名称のとおりDR(ディマンドリスポンス=電力需給に合わせて消費を調整する仕組み)に活用できるリソースを増やすことが目的でした。だから蓄電池アグリゲーターや小売電気事業者への登録が申請の前提に組み込まれていました。

一方、いま残っているZEHとみらいエコ住宅は、住宅の省エネ性能を上げることが目的の制度です。蓄電池は「そのための選択肢のひとつ」という位置づけなので、住宅工事から切り離して単体では申請できません。

東京都の蓄電池補助金

自治体の補助金で金額が最も大きいのが東京都で、10kWh級なら約98万円です。都内で検討している人は、この章で実額と条件を確認してください。都外の人は、次の「自治体の蓄電池補助金」へ進んでください。

東京都の補助金はいくらか

正式名称は「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」(親事業は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」)。クール・ネット東京が実施しています。

項目内容
蓄電池パッケージ蓄電容量 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合の上限額として120万円/戸が要綱に定められています)
蓄電池ユニット増設蓄電容量 6万円/kWh(同 上限72万円/戸)
DR実証に参加する場合1台あたり10万円または15万円を加算
受付事前申込 2026年5月29日開始/交付申請兼実績報告 2026年6月30日開始
予算額約1,012億円(令和8年度・親事業の総額)

国の制度と並べると差がはっきりします。終了した国のDR事業は初期実効容量あたり3.55〜3.75万円、東京都は蓄電容量あたり10万円。単価が約3倍というだけでなく、掛ける対象が「実効容量」か「蓄電容量」かという違いもあるので、実際の差はさらに開きます。

10kWh級(蓄電容量9.5〜10.5kWh・登録39製品)の中央値で比べると、こうなります。

計算の土台10kWh級の中央値
国のDR事業(終了)39製品それぞれの補助金額を計算した中央値29万8,200円
東京都(受付中)蓄電容量の中央値9.8kWh × 10万円98万円

※東京都の助成額は「算定額」と「助成対象経費(税抜・国等の補助金を差し引いた額)」を比べて小さいほうになります。上の金額は算定額であり、機器費+工事費がこれを下回る場合はそちらが上限です。

東京都で検討している人にとって、この制度を使うかどうかは蓄電池の総額そのものを左右する水準です。都外の人にとっては、残念ながら参考にならない金額でもあります。

東京都の条件

都の要綱リーフレット(令和8年4月版)とクール・ネット東京の公式ページで確認した条件です。

条件内容
太陽光発電新規設置の助成は、太陽光発電システムが設置済みか同時設置の場合に限る。太陽光がない家は、東京電力エナジーパートナーのDRメニューに契約すれば対象
申込の順番施工業者と契約を結ぶ「前」に事前申込が必要(事前申込の必要書類は設置工事の見積書)
支払いの証明令和8年度から金融機関発行の証明書(振込明細・ローン契約明細など)の提出が必須。現金の受け渡しによる取引は助成対象外
対象機器SII登録機器(10月1日以降の事前申込は令和8年度の登録製品のみ)
対象住宅都内の戸建住宅・集合住宅。令和8年4月1日〜令和11年3月30日に設置した機器
他の補助との重複都・公社の同種の助成金との重複は不可。国や区市町村の補助金は併用でき、対象経費からその額を差し引いて計算する

「太陽光なしで蓄電池だけ」という家でも、東京電力エナジーパートナーのDRメニューに契約すれば申請できるのは、他の自治体にはあまりない設計です。逆に、契約を先に済ませてから申し込む・現金で払う、の2つは対象外になります。業者から「先に契約を」と言われたら、そこで止めてください。

東京都は2026年10月1日から対象機器の要件が変わる

検討時期によって結論が変わる注意点があります。クール・ネット東京の公式告知です。

令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、助成対象機器の要件が変わります。国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(戸建て住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)」における補助対象機器として、SIIによって令和8年度の登録済製品一覧に登録された機器のみが助成対象となります。

9月30日までの事前申込なら令和4年度以降のSII登録機器が幅広く対象ですが、10月1日以降は令和8年度の登録リストに載っている機器だけに絞られます(2026年4月1日から6月30日までに契約締結または契約・工事完了した事業は除く)。検討中の型番が令和8年度リストにあるかどうかで、申込時期の判断が変わります。

東京都の補助金はいつまでか

令和8年度の事前申込は2026年5月29日に始まりました。公式ページに受付の終了日は書かれておらず、設置期間は令和11年3月30日まで、予算は親事業全体で約1,012億円です。ただし国のDR補助金は、予定の4分の1の期間で予算に達して終わりました。都の予算は桁が違うとはいえ「年度末まで確実に開いている」とは考えず、検討が固まった時点で事前申込を済ませるのが安全です。

区市町村の補助金は、都の助成と重ねて使えます(都の計算では、対象経費から区市町村の補助金を差し引いた額が上限になります)。区市町村ごとの有無と金額は、クール・ネット東京の区市町村の補助金等情報で一覧にされているので、自分の区市のページを確認してください。

自治体の蓄電池補助金

自治体の補助は、住んでいる場所によって有無も金額もまったく違います。全国の自治体を並べても自分の該当分は分からないので、当サイトが公式ページで確認した実額を並べて水準感をつかみ、そのあとに自分の自治体を調べる手順を書きます。

自治体の蓄電池補助金の実額16例(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・茨城県・山梨県・静岡県・大阪府・岡山県・福岡県・福島県・熊本市・北海道・岐阜市・秋田市)

当サイトが自治体の要綱を公式ページで確認した実額です。金額の幅を実感してもらうために、確認済みのものを並べます。

自治体蓄電池への補助主な条件・備考
東京都10万円/kWh・上限120万円/戸都内の住宅。DR実証参加で加算あり(東京都の蓄電池補助金は10万円/kWh)
神奈川県定額15万円/台太陽光との同時導入が条件。第2期は9月30日まで先着500件程度(神奈川県の蓄電池補助金は1台15万円)
埼玉県定額10万円/件太陽光の設置済みか同時設置が条件。太陽光の枠は9日で終了(埼玉県の太陽光・蓄電池の補助金)
千葉県市町村が上限7万円(42市町村が横並び)県は買って設置する人に出さない。リース・PPAかZEHのみ(千葉県の太陽光・蓄電池の補助金)
群馬県費用の3分の1(1kWhあたり14.1万円超は対象外)先着でなく抽選。令和8年7月20日に受付終了(群馬県の太陽光・蓄電池の補助金)
茨城県市町村で一律5万円(44のうち35が同額)県が市町村に配る仕組み。金額がほぼ全県で揃う。17市町村はすでに終了(茨城県の太陽光・蓄電池の補助金)
山梨県県が定額25万円/台県が直接出す数少ない県。太陽光は3万円/kW・上限27万円。市町村と重ねられる(山梨県の太陽光・蓄電池の補助金)
静岡県県からは出ない。市町村で0〜10万円35市町のうち23が受付中で全国でも多い。最大は長泉町の定額10万円(静岡県の太陽光・蓄電池の補助金)
大阪府府からは出ない。市町村で0〜75万円府は家庭向け補助を実施していないと明記。43市町村のうち23は制度なし(大阪府の太陽光・蓄電池の補助金)
岡山県県からは出ない。市町村で0〜31万円県が市町村に配る仕組みで個人には交付しないと明記。27のうち今から申し込めるのは7(岡山県の太陽光・蓄電池の補助金)
福岡県県からは出ない。市町村で0〜45万円60市町村のうち30に制度がない。最大は福岡市の14kWh以上45万円(福岡県の太陽光・蓄電池の補助金)
福島県4万円/kWh・上限20万円令和8年度。約800件の件数枠(福島の太陽光発電|県の補助金は太陽光16万円+蓄電池20万円)
熊本市定額8万円固定価格買取制度の満了世帯=卒FIT世帯が対象(熊本の太陽光発電は得か)
北海道道からは出ない。市町村で0〜57万円(上士幌町は太陽光と合わせて上限300万円)道は市町村が出した額の半分・上限15万円を市町村に配る。179のうち69が受付中、札幌市は1万6千円/kWh・上限6万4千円(北海道の太陽光・蓄電池の補助金)
岐阜市令和8年度は交付申請の受付を終了国のDR事業との併用不可と明記されていた(岐阜の太陽光発電|岐阜市の補助は「太陽光なし」の年)
秋田市住宅用太陽光の補助は令和7年度で終了令和8年度に同様の事業の予定はないと市が公表(秋田の太陽光発電は損か)

いずれも各自治体の公式ページを執筆時点で確認した内容です。年度途中の予算到達で締め切られる場合があるため、申請前に最新の要綱をご確認ください。

単価の形そのものも自治体で違います。東京都・福島県・札幌市はkWhあたりの単価ですが、神奈川県と熊本市は容量に関係のない定額です。定額の自治体では、容量を大きくしても補助は増えません。

1kWhあたりの単価だけでも東京都10万円と札幌市1万6千円で6倍以上。上限額まで含めた実額で10kWh級を比べると、東京都は100万円、札幌市は6万4千円——15倍以上の開きがあります。そして岐阜市や秋田市のように、今年度は制度そのものが無い自治体もあります。

ここから引き出せる結論はひとつです。「蓄電池の補助金はいくら」という全国共通の答えは存在しません。他サイトで見た金額は、自分の自治体の金額ではない可能性のほうが高いと考えてください。

蓄電池補助金の申請から交付決定までの期間

補助金は申請したその場でもらえるものではありません。終了したDR事業を例にすると、SIIは審査期間を「交付申請の受付から交付決定もしくは不備の連絡までが2〜5週間程度」と案内しています。この事業では一時期それより時間がかかる状況が生じ、2026年8月14日に本来の期間へ戻ったと告知されました。

不備があれば再提出してからさらに同じ期間がかかります。多くの制度は工事の契約前や着工前に申請が必要なので、この待ち時間を含めて工事スケジュールを組む必要があります。「補助金の申請中だが工事を先に進めたい」という進め方は、制度によっては補助の対象外になります。

自分の自治体の制度を調べる3ステップ

自治体の制度は、年度替わりでの新設・終了・単価変更が頻繁です。他サイトの一覧表は更新が追いついていないことがあるので、公式で確認するのが確実です。

  1. 「(市区町村名) 蓄電池 補助金」で検索し、自治体の公式サイト(lg.jpドメイン等)を開く。まとめサイトではなく発表元を見ます
  2. 今年度の受付が開いているかを確認する。前年度のページが残っていることがあるので、ページ内の年度表記と受付期間を必ず見ます
  3. 「契約前の申請が必要か」を確認する。多くの自治体制度は工事契約や着工の前に申請が必要で、契約後に気づいても遡って申請できません

都道府県と市区町村の両方に制度があり、併給できる場合もあれば、どちらか一方しか使えない場合もあります。県と市の両方を確認してください。

補助金が終わった今、蓄電池の見積もりを確かめる基準

国のDR事業には、補助金を配るという役割のほかに、あまり知られていない役割がありました。

公募要領が「購入価格の上限(目標価格)」を定めていて、それを超える価格では補助金の申請自体ができなかったのです。上限の式はこうです。

払っていい上限(税抜)= 蓄電容量 × 12.5万円 + 控除額(出典:SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」公募要領)

原文では「2025年度目標価格(設備費+工事費・据付費、税抜)12.5万円/kWh(蓄電容量)」と定められ、太陽光のパワコンと一体で切り分けられないハイブリッド型は定格出力1kWあたり2万円、逆潮流機能の認証があればさらに1万円を、比較する金額から控除できるとされていました(定格出力の小数点第二位以下は切り捨て)。

 

業者は補助金を通すために、この範囲に収まる見積もりを組む必要がありました。

つまり補助金制度が、事実上の価格の天井として機能していたわけです。その天井が2026年5月になくなりました。

 

補助金がなくなって困るのは、受け取れるはずだった30万円前後が消えたことだけではありません。価格を抑える方向に働いていた力も、同時になくなったということです。

だから、いま見積もりを確かめる基準は自分で持つ必要があります。使えるものは残っています。

  • 目標価格の式(上の計算式)は、制度が終わっても計算できます。SII登録166製品それぞれの上限は蓄電池メーカーランキング|国の登録データ166製品で比較にまとめています
  • 補助事業で実際に流通した価格は約12.1万円/kWh(設備+工事・2023年度平均/経済産業省の検討会データ)。市場の標準水準は17〜22万円/kWhと、差があることが国の資料に明記されています

3つの水準を使った確かめる手順は家庭用蓄電池の価格相場で詳しく扱っています。

補助金の額より、業者選びの差のほうが大きい

金額を並べると、優先順位がはっきりします。10kWh級で計算します。

動く金額10kWh級での額
終了した国のDR補助金(166製品の中央値)約29.8万円
DR事業の交付決定 1件あたり平均(全容量)約42.2万円
補助事業の実績水準と市場の標準水準の差
(12.1万円/kWh × 10kWh = 121万円 と 17万円/kWh × 10kWh = 170万円)
約49万円

見積もりの単価を市場の水準から補助事業の水準へ寄せられれば、それだけで終了した補助金の平均額を上回る金額が動きます。市場の上限側(22万円/kWh=220万円)と比べれば差は約99万円で、2倍以上です。

 

補助金が終わったことは、金額面では確かにマイナスです。ただしもともと補助金より業者間の価格差のほうが大きい市場だったんです。

この事実に基づいた費用を確かめる手順は蓄電池の見積もりの取り方|申し込むと何が起こるかまでにまとめました。

「補助金が出るから今がお得」と言われたときの確認手順

国の蓄電池単体補助金が終了した一方で、それを前提にした営業トークが残っていることがあります。国民生活センターにも「補助金の申請は代行すると言われたが実際は申請されていなかった」という相談事例が寄せられています。

提案を受けたら、その場で次の4点を書面で確認してください。口頭の説明を書面に書き直してもらうだけで、曖昧さは解消します。

  1. 制度の正式名称:「国の補助金」ではなく、どの事業か。DR家庭用蓄電池事業なら終了しています
  2. いま申請を受け付けているか:受付期間と、予算枠が残っているか
  3. 申請するのは誰か:自分か、業者の代行か。代行なら申請完了の証跡をもらえるか
  4. 不交付だった場合の負担:補助金が下りなかったときに契約がどうなるか。「補助金ありきの実質価格」で契約すると、不交付時にそのまま自己負担になります

そして補助金の話が出たときこそ、総額の先に確かめてください。「補助金30万円が出るので実質170万円です」という提案は、元の200万円が適正かどうかを確かめない限りそもそも評価できません。実際には10kWh級の200万円は1kWhあたり20万円で、市場の標準水準の上のほうです。訪問販売への対処は太陽光・蓄電池の訪問販売|手口と断り方でも詳しく扱っています。

 

そのうえで大事なのは、その1社と契約するかどうかを、その1社の情報だけで決めないことです。訪問販売の構造的な問題は、手口そのものより「比較の機会がないまま契約が進む」ことにあります。同じ製品・同じ条件で他社の見積もりを取れば、価格は適正水準に近づきます。

 

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個人でやるのは大変な「相見積もり」を楽にできるので、価格面で損をするリスクを限りなく減らせます。見積もりも相談も完全無料で、費用は一切かかりません。

蓄電池の補助金のよくある質問

Q. 国の蓄電池の補助金は、もう一切ないのですか?

蓄電池だけを設置して申請できる国の制度はありません。住宅の省エネ工事とセットであれば、ZEH化等支援事業(蓄電システム上限20万円/戸)とみらいエコ住宅2026事業(蓄電池96,000円/戸)が2026年9月時点で公募中です。どちらも住宅側の要件を満たす必要があります。

Q. 2027年に蓄電池を導入すると補助金はもらえますか?(DR補助金は再開する?)

国のDR補助金について、SII公式に再開の告知はありません。次年度に同種の事業が組まれるかは予算編成次第で、2027年の導入で国の補助を受けられるかは現時点では誰にも分かりません。東京都の制度は令和11年3月30日までの設置が対象期間なので、都内なら2027年の導入も対象になり得ます。今回は9か月弱の公募予定枠が約2か月で埋まっているので、仮に次があっても早期に締め切られる可能性は想定しておいたほうが安全です。

Q. 「最大60万円」ではなかったのですか?

上限額としては60万円で正しい表記です。ただし補助金額は「基準額×初期実効容量」「購入価格×3/10」「60万円」の最も小さい額になるため、当サイトの集計では166製品中60万円に届くのは2製品(ともに蓄電容量19.9kWh)だけでした。交付決定の実績も1件あたり平均約42.2万円です。

Q. 自治体の補助金と国の補助金は併用できますか?

制度ごとに扱いが違うので、両方の要綱で確認が必要です。たとえば東京都の事業では、助成対象経費から「国および他の地方公共団体からの補助金」を差し引いて計算するルールになっています。また国土交通省の公式ページでは、みらいエコ住宅2026事業とDR家庭用蓄電池事業について併用可能と案内されていました。

Q. SII登録製品でなくても蓄電池は買えますか?

買えます。登録は補助事業への申請手続きの有無であって、品質評価ではありません。ただし、みらいエコ住宅2026事業や東京都の助成はSII登録機器であることを要件にしているため、これらを使う予定なら登録の有無が金額に直結します。

Q. 補助金がないなら、今は買い時ではないのでしょうか?

補助金の有無だけで買い時は決まりません。当サイトの計算では、蓄電池は適正価格で買っても電気代の削減だけで回収するのは簡単ではなく、卒FIT後かどうかや停電への備えをどう評価するかで結論が変わります(蓄電池はやめたほうがいい?)。補助金が出るかどうかより、その前提の計算を先に済ませることをおすすめします。

Q. ポータブル電源(ポータブル蓄電池)に補助金は出ますか?

国の制度と東京都の制度は出ません。どちらもSIIに登録された据え置き型の蓄電システムが対象で、持ち運ぶポータブル電源は登録の対象外だからです。自治体によっては防災目的でポータブル電源に独自の補助を出す例があるので、お住まいの自治体の要綱で確認してください。

Q. 太陽光発電がなく、蓄電池のみでも補助金は出ますか?

国の2制度は住宅の省エネ工事とセットなので、蓄電池のみでは出ません。東京都は太陽光の設置済みか同時設置が原則ですが、太陽光がない家でも東京電力エナジーパートナーのDRメニューに契約すれば対象になります。他の自治体は「太陽光と接続していること」を条件にする例(札幌市など)が多いので、要綱の条件欄を確認してください。

Q. マンション(集合住宅)でも蓄電池の補助金は使えますか?

東京都の制度は都内の戸建住宅と集合住宅の両方が対象で、助成を受けるのは機器の所有者です。国の戸建住宅ZEH化等支援事業は名前のとおり戸建向けで、集合住宅は「集合住宅の省CO2化促進事業」という別枠になります。自治体の制度には戸建限定のものもあるので、要綱の対象住宅の欄を確認してください。

まとめ

2026年9月時点の蓄電池の補助金は、次の3層で整理できます。

  1. 蓄電池単体で使える国の制度=なし。DR家庭用蓄電池事業は2026年5月29日に公募終了。交付決定は8,508件・平均約42.2万円でした
  2. 住宅工事とセットの国の制度=あり。ZEHなら蓄電システム上限20万円/戸、断熱リフォームならみらいエコ住宅2026事業で96,000円/戸
  3. 自治体の制度=場所次第で桁が変わる。東京都は蓄電容量10万円/kWh・上限120万円/戸で受付中。自分の市区町村と都道府県の公式ページを、契約前に確認します

そして、補助金の行を確認し終えたら、価格の行に戻ってください。

蓄電容量×12.5万円+ハイブリッド加算——国が定めていた目標価格の式は、制度が終わったあとも見積もりの確認に使えます。補助金より大きな金額が変動する可能性もあるので、しっかり確認しましょう。


調査・執筆:成田 風輝(ソーラー見積もりナビ運営者)。SIIが公開する登録データ166製品を表計算とスクリプトで全数集計し、公募要領の計算式で1製品ずつ検算しています。集計元データは誰でも取得できるため、第三者が同じ手順で再現できます(運営者情報)。本記事の制度情報は、SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」公式サイト(事業概要・交付決定情報/執筆時点)、SII「令和8年度 新築戸建ZEH」公式サイトおよびパンフレット、国土交通省「みらいエコ住宅2026事業」公式サイト、クール・ネット東京「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」公式サイト(いずれも執筆時点)にもとづきます。製品別の補助金額・実効容量の集計は、SIIの補助対象蓄電システム登録データ(8メーカー166製品・2026年8月22日取得)を当サイトが全数集計したものです。価格水準は経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」(2025年3月)によります。特定メーカー・特定販売店からの広告料や情報提供は受けていません。