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岩手県の太陽光・蓄電池の補助金は県から直接もらえます。太陽光が定額35万円、蓄電池が費用の3分の1で上限35.7万円です。ただし対象は新築の高断熱住宅だけで、枠は19戸です。すでに建っている家に使えるのは市町村の制度だけで、33のうち15に制度がありません。最大は陸前高田市の120万円で、16市町村がいま受付中です。
この記事では、2026年度の岩手県と33市町村すべての情報を記載します。県の制度の条件、市町村の額の差、終了した市と地区限定の制度、商品券で払う町村まで整理しているので、ぜひ参考にしてください。
岩手県の補助金は、新築の高断熱住宅だけ
一般的に、補助金は国・県・市町村の3階建てになっています。岩手県の場合、県は新築の戸建てを建てる人だけに出しています。
| 設備 | 県の補助額 | 条件 |
|---|---|---|
| 太陽光 | 7万円/kW×5kW=35万円(上限) | 必須 |
| 蓄電池 | 3分の1(上限35.7万円・7kWhまで) | 選択 |
| HEMS(電気の使い方を見える化する機器) | 3分の2(上限6.6万円) | |
| 住宅本体 | 100万円(断熱等級6)/180万円(断熱等級7) |
※岩手県の公式ページを執筆時点で確認しました。
制度の名前は「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」です。家の条件が厳しく、次の3つを満たす新築だけが対象です。
- 断熱等級6か7の高断熱住宅であること。国が省エネ住宅の目安にするZEHより上の水準です
- 県産の木材を5㎥以上使うこと
- 「岩手型住宅」に賛同する登録業者が建てること
枠は19戸で、8月末の時点で9戸が申し込んでいます。受付は12月上旬までの先着で、工事の契約前に申請します。
すでに建っている家に太陽光や蓄電池を載せる場合、県の制度はありません。この記事の残りは、既存の家が使える市町村の制度が中心です。
なお、県と多くの市町村の制度は国の交付金を配るものです。個人が国に直接申し込む太陽光の補助はなく、蓄電池の国の補助も2026年5月に終わり現在はやっていません。
最大は陸前高田市の120万円。地域新電力との契約が条件
市町村の制度は18にあり、額の差が大きいです。
| 市町村 | 太陽光 | 蓄電池 | 合計の上限 |
|---|---|---|---|
| 陸前高田市 | 3分の2(上限80万円) | 4分の3(上限40万円) | 120万円 |
| 普代村 | 5万円/kW(上限30万円) | 3分の1(上限30万円) | 60万円 |
| 矢巾町 | 7万円/kW(上限35万円) | 3分の1(4kWh分まで・上限20.7万円) | 55.7万円 |
| 北上市 | 3万円/kW(上限29.7万円・既築) | 2万円/kWh(上限20万円) | 49.7万円 |
| 宮古市 | 4万円/kW(上限25万円) | 3万円/kWh(上限20万円) | 45万円 |
※各市町村の公式ページを執筆時点で確認しました。
陸前高田市は太陽光の費用の3分の2、蓄電池の4分の3を出します。市のよくある質問に「補助金総額は最大120万円」と明記しています。条件は次のとおりです。
- 市内の地域新電力「陸前高田市しみんエネルギー」と、電気を買う契約と売る契約の両方を結ぶこと。片方だけでは出ません
- 国の固定価格で売る制度(FIT)の認定を受けないこと。しみんエネルギーに直接売るので、FITの認定を受けると対象外になります
- 工事の契約前に申請すること。受付は12月28日までです
今年度から蓄電池が対象に加わり、売電の期間が終わった既設の太陽光に蓄電池だけ足す場合も申請できます。支払いは去年まで地域商品券でしたが、現金振込に変わりました。
矢巾町は国の交付金を財源に太陽光7万円/kWを出します。売電しない家だけで、蓄電池は4kWh分までなので上限は20.7万円です。宮古市は設置後に申し込む先着で、太陽光と蓄電池を別々に申請できます。
終了した市町村と、地区限定の制度
今年度の受付を終えた制度と、住む地区で対象が決まる制度があります。
- 一関市の自家消費型は9月9日に終了しました。太陽光7万円/kWと蓄電池3分の1の枠で、予算に達しました。売電する家向けの2万円/kWは受付中で、申請率は49%です
- 宮古市の重点枠は6月12日に終了しました。太陽光7万円/kWに上乗せする枠で、いま申し込めるのは通常の4万円/kWです
- 葛巻町は9月1日で新規受付を終了しました。費用の3分の2で上限100万円の制度で、商品券払いでした
- 盛岡市は新築の枠が終わり、既築だけ先着で受付中です。額は小さく上限5.6万円です
- 奥州市は6月24日に終了しました。蓄電池に10分の1で上限10万円の制度です
地区限定の制度は3つです。釜石市は中心市街地の指定町丁、久慈市は山形町、紫波町は水分地区と志和第8行政区に住む人だけが対象です。いずれも国の脱炭素先行地域の枠で、太陽光の費用の3分の2、蓄電池の4分の3と手厚いですが、地区の外に住む市民には制度がありません。
岩手で勘違いしやすい3点
33市町村を確認して分かった、間違えやすい点を挙げます。
- 県の補助は、いま住んでいる家には使えません。新築の高断熱住宅だけが対象で、県産木材と登録業者の条件もあります。既存の家は市町村の制度を探します
- 野田村・九戸村・一戸町は現金ではなく商品券です。野田村・九戸村は太陽光、一戸町は太陽光と蓄電池の補助を、村や町の商品券で受け取ります。遠野市はページによって商品券と現金の記載が食い違うので、申請前に確認してください
- 15市町村には制度がありません。大船渡市は2022年度で廃止し、花巻市・二戸市・八幡平市・滝沢市にも制度がありません。滝沢市・西和賀町・金ケ崎町は断熱改修の補助だけで、太陽光は対象外です
岩手では、県の補助は新築だけ、多くの市町村に制度がなく、あっても額は小さいです。そこで重要なのが「設置費用そのもの」です。ここが投資回収の分かれ目になります。
太陽光・蓄電池は同じ設備でも業者によって数十万円の差が出ます。これは全部工事費による差です。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。
ですので、必ず相見積もりを取りましょう。
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岩手県33市町村の補助と受付状況
市町村の制度の一覧です。制度がある18のうち、16市町村がいま受付中です。金額は公式ページの表記に合わせ、県の分は含んでいません。
| 市町村 | 太陽光 | 蓄電池 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 陸前高田市 | 3分の2(上限80万円) | 4分の3(上限40万円・売電が終わった既設の家も可) | 受付中(12月28日まで・地域新電力と契約) |
| 普代村 | 5万円/kW(上限30万円) | 3分の1(上限30万円) | 受付中(2月末まで) |
| 矢巾町 | 7万円/kW(上限35万円・売電しない家) | 3分の1(上限20.7万円・同時のみ) | 受付中(2027年3月31日まで) |
| 北上市 | 3万円/kW(上限29.7万円・新築は2万円/kW) | 2万円/kWh(上限20万円・同時のみ) | 受付中(2027年2月26日まで) |
| 宮古市 | 4万円/kW(上限25万円) | 3万円/kWh(上限20万円) | 受付中(設置後3か月以内に申請) |
| 一戸町 | 5万円/kW(上限20万円・商品券) | 3万円/kWh(上限15万円・商品券・既設も可) | 受付中(設置後2か月以内に申請) |
| 野田村 | 8万円/kW(上限24万円・商品券) | — | 受付中(設置後30日以内に申請) |
| 一関市 | 2万円/kW(上限10万円・売電する家) | 2万円/kWh(上限10万円) | 受付中(申請率49%・12月28日まで) |
| 九戸村 | 3万円/kW(上限15万円・商品券) | — | 受付中 |
| 山田町 | 3万円/kW(上限10万円) | 3万円/kWh(上限10万円) | 受付中 |
| 平泉町 | 2万円/kW(上限10万円・蓄電池と同時のみ) | 2万円/kWh(上限10万円) | 受付中(予算60万円・6月時点で申請0件) |
| 遠野市 | 2万円/kW(上限7万円) | 3分の1(上限7万円) | 受付中(予算50万円・設置後に申請) |
| 盛岡市 | 1.4万円/kW(上限5.6万円) | —(HEMSは終了) | 既築のみ受付中(新築枠は終了・2027年1月29日まで) |
| 釜石市 | 3分の2(中心市街地の指定地区だけ) | 4分の3(同時のみ) | 受付中(地区限定・10月30日まで) |
| 久慈市 | 3分の2(山形町だけ) | 4分の3(同時のみ) | 受付中(地区限定・12月4日まで) |
| 紫波町 | 3分の2(水分地区・志和第8行政区だけ) | 4分の3(同時のみ) | 受付中(地区限定) |
| 奥州市 | — | 10分の1(上限10万円) | 終了(6月24日) |
| 葛巻町 | 3分の2(上限100万円・商品券) | 3分の2(同枠) | 終了(9月1日) |
| 上記以外の15市町村 | — | — | 0円 |
※各市町村の公式ページを執筆時点で確認した内容です。申請の前に必ず公式ページを見てください。
表から読み取れることが3つあります。
- 制度がないのは15市町村です。大船渡市・花巻市・二戸市・八幡平市・滝沢市の5市と、雫石町・岩手町・西和賀町・金ケ崎町・住田町・大槌町・岩泉町・田野畑村・軽米町・洋野町の10町村には、太陽光・蓄電池の補助がありません。盛岡に隣り合う滝沢市・雫石町・岩手町もゼロです
- すでに太陽光がある家に蓄電池を足せる市町村は3です。陸前高田市は売電が終わった家、一戸町は既設の家も対象と明記し、宮古市は太陽光と接続していれば申請できます。ほかは同時設置が条件か、蓄電池の補助がありません
- 設置後に申し込む制度が多いです。宮古市・一戸町・野田村・遠野市は設置してから申請します。陸前高田市・矢巾町・北上市・一関市・平泉町・盛岡市は契約前の申請なので、順番を間違えると出ません
岩手で太陽光は元が取れるのか
岩手は日射量が東京に近い土地です。盛岡の日射量は1日平均12.3MJ/㎡で、東京より少し少ないです。日照時間も東京より短く、冬は雪でパネルが覆われる期間があります。沿岸の宮古や陸前高田は内陸より雪が少なく、冬の発電が落ちにくい地域です。
発電した電気の使い道で価値が変わります。
| 電気の行き先 | 1kWhあたりの価値 |
|---|---|
| 自分の家で使う | 27.45円(買わずに済んだ電気代) |
| 電力会社に売る(1〜4年目) | 24円 |
| 電力会社に売る(5年目以降) | 8.3円 |
売るより使うほうが、価値は高いです。
陸前高田市・矢巾町・釜石市など補助の大きい制度は、上の表の24円で売る道を使わず、自分で使う家向けです。補助が大きい制度ほど、売らずに使う設計を条件にしています。一関市や宮古市の通常の制度は売電する家も対象で、額はその分小さくなります。
なお太陽光の回収年数の計算は太陽光発電は元が取れるかにまとめています。
岩手県で補助金に頼らず費用をおさえるには
県の補助は新築だけで、33市町村のうち15に制度がなく、多くの市町村は10万円台です。
一方で、太陽光の設置費用は1kWあたり28.9万円が相場です。当サイトは25.6万円/kWを狙うべき基準としています。5kWなら16.5万円の差になります。
この16.5万円は、市町村の多くが出す10万円前後の補助を上回ります。補助を探すより、業者選びで動く額のほうが大きいというわけですね。
また、蓄電池はもっと開きます。当サイトが登録製品を集計して出した払っていい上限は1kWhあたり12.5万円。ところが市場では17万円から22万円の見積もりが普通に出てきます。矢巾町の3分の1の補助も、1kWhあたり15.5万円を超えた分には出ません。
同じ設備なら、設備費には差が出ません。差は工事費など、業者に依存するものです。そのためには相見積もりをとって、工事費の安いところに頼むのが必須です。
太陽光は「ソーラーパートナーズ」、蓄電池は「エコ×エネの相談窓口」で複数社の見積もりをまとめて取れます。見積もりも相談も完全無料です。
なお設置費用の内訳は太陽光発電の設置費用に、デメリットまで含めた判断材料は太陽光発電のメリットデメリットにまとめています。
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岩手県の補助金のよくある質問
Q. 岩手県の補助金は今から間に合いますか?
県の制度は新築の高断熱住宅だけで、19戸の枠に8月末で9戸です。12月4日までの先着で、工事の契約前に申請します。既存の家は市町村の制度で、陸前高田市と一関市は12月28日まで受け付けています。
Q. いま住んでいる家に太陽光を載せたいのですが、県の補助はありますか?
ありません。県の制度は新築の戸建てだけです。市町村の制度を使い、陸前高田市の3分の2、矢巾町の7万円/kW、宮古市の4万円/kWなどが対象になります。
Q. すでに太陽光がある家に蓄電池だけ入れたいのですが?
陸前高田市・一戸町・宮古市の3つです。陸前高田市は売電が終わった家に4分の3で上限40万円、一戸町は上限15万円の商品券、宮古市は上限20万円です。
Q. いちばん多くもらえるのはどこですか?
陸前高田市の120万円です。太陽光が費用の3分の2で上限80万円、蓄電池が4分の3で上限40万円です。市内の地域新電力と電気を買う契約と売る契約の両方を結ぶことが条件です。
Q. 釜石市や久慈市の3分の2は誰でも使えますか?
使えません。釜石市は中心市街地の指定町丁、久慈市は山形町、紫波町は水分地区と志和第8行政区に住む人だけです。地区の外に住む人向けの制度は、この3市町にはありません。
Q. 商品券で払う町村はどこですか?
野田村・九戸村・一戸町です。葛巻町も商品券でしたが9月1日で終了しました。遠野市はページによって商品券と現金の記載が違うので、申請前に市に確認してください。
Q. 一関市の7万円/kWはもう終わりですか?
終わりました。売電しない家向けの自家消費型は9月9日に予算に達しました。売電する家向けの2万円/kWと蓄電池2万円/kWhは、上限が各10万円で12月28日まで受け付けています。
Q. 補助金がもらえなかったら損ですか?
補助と損得は別です。太陽光の相場と狙うべき買値の差は5kWで16.5万円あり、市町村の多くの補助を上回ります。買値を下げれば、制度がない15市町村でも取り返せます。
まとめ
- 県の補助は新築の高断熱住宅だけ。太陽光35万円+蓄電池上限35.7万円、枠は19戸で8月末に9戸
- 既存の家は市町村の制度だけ。33のうち15に制度なし
- 最大は陸前高田市の120万円。地域新電力と売買両方の契約が条件、売電が終わった既設の家に蓄電池だけも可
- 一関市の自家消費型は9月9日に終了。宮古市の重点枠、葛巻町、奥州市も終了
- 釜石市・久慈市・紫波町は地区限定。地区の外には制度なし
- 野田村・九戸村・一戸町は商品券払い
- 既設の家に蓄電池だけ=陸前高田・一戸・宮古
- 補助が出ても、買値の差は市町村の多くの補助を上回る
出典
- 岩手県「令和8年度いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」
- 陸前高田市「新エネルギー設備導入促進事業費補助金(令和8年度)」
- 矢巾町「自家消費型太陽光発電設備等設置事業補助金」
- 宮古市「住宅用太陽光発電・蓄電池システム導入促進費補助金」
- 盛岡市「住宅用太陽光発電システム等設置費補助金」
- 気象庁「盛岡の平年値」
- 経済産業省 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」
調査・執筆:成田 風輝(ソーラー見積もりナビ運営者)。岩手県と県内33市町村すべての公式ページを執筆時点で確認しました(運営者情報)。補助金の額・受付状況は岩手県および各市町村の公式ページと交付要綱、日射量は気象庁の平年値、設置費用の相場と自家消費の価値は経済産業省 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に最新の要綱で確認してください。特定メーカー・特定販売店からの広告料や情報提供は受けていません。

