太陽光発電の発電量シミュレーション|1kW・3kW・5kWの目安と計算方法・都道府県別の表・業者予測の検算【2026年】

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太陽光発電のシミュレーションは、業者にやってもらうものだと思われていますが、実際は自分で簡単に計算できます。

年間発電量(kWh)= システム容量(kW)× 8,760時間 × 設備利用率

設備利用率に何を入れるかがすべてで、この記事では国の実測値を使います。経済産業省・調達価格等算定委員会の資料(2026年2月公表)によると、全国の住宅用太陽光の設備利用率は平均14.1%(2025年・過去4年平均でも14.2%と安定)。5kWなら 5×8,760×0.141=年間約6,176kWh。これが、業者のどんなシミュレーションよりも信頼できる値です。

この記事では、この式の使い方、都道府県別の目安表、そして業者のシミュレーションが盛られていないかを見抜く方法を解説します。

太陽光発電の発電量シミュレーションの式

シミュレーション式は冒頭で解説したように以下の通りです。

年間発電量(kWh)= システム容量(kW)× 8,760時間 × 設備利用率

 

その後、発電量をお金に直すには、国の実測に基づく2つの比率を使います(すべて同じ委員会資料の公表値です)。

  1. 発電した電気のうち35.2%を自家消費(買わずに済む電気代=約27.45円/kWhの価値)、64.8%を売電(2026年度は24円/kWh→5年目から8.3円/kWhの二段階)
  2. 5kW・年6,176kWhなら、年間の便益は最初の4年間で約15.6万円/年、5〜10年目で約9.3万円/年

費用回収年数まで含めた計算の全過程は 太陽光発電は元が取れるか で解説しています。この記事では「発電量」を深掘りします

太陽光発電の発電量の目安

上の式(設備利用率14.1%・全国の実測平均)を容量別に計算した目安です。自家消費の量は、国の実測比率35.2%を掛けています。

容量年間発電量1か月平均1日平均自家消費(35.2%)
1kW約1,235kWh約103kWh約3.4kWh約435kWh
3kW約3,705kWh約309kWh約10.2kWh約1,304kWh
4.5kW(450Wパネル10枚)約5,558kWh約463kWh約15.2kWh約1,956kWh
5kW約6,176kWh約515kWh約16.9kWh約2,174kWh
6kW約7,411kWh約618kWh約20.3kWh約2,609kWh
10kW約12,352kWh約1,029kWh約33.8kWh約4,348kWh

1kWあたり年間約1,235kWh、1日あたり約3.4kWhが全国平均の目安です。パネル10枚は1枚450W級なら4.5kWで、年間約5,558kWh。3kWなら年間約3,706kWhで、自家消費に回るのは約1,304kWh(残りは売電)です。

季節差も大きく、東京の日射量の平年値で月別に割ると、5kWの月間発電量はこうなります。

月(東京・5kW)月間発電量の目安1日あたり
1月約381kWh約12.7kWh
2月約466kWh約15.5kWh
3月約539kWh約18.0kWh
4月約652kWh約21.7kWh
5月約701kWh約23.4kWh
6月約600kWh約20.0kWh
7月約632kWh約21.1kWh
8月約640kWh約21.3kWh
9月約482kWh約16.1kWh
10月約397kWh約13.2kWh
11月約349kWh約11.6kWh
12月約328kWh約10.9kWh

気象庁の東京の月別全天日射量(平年値1991〜2020年)で、年間6,176kWhを按分した当サイトの試算。5月が最大で12月が最小、その差は約2.1倍です。

太陽光発電の発電量の計算方法

発電量の計算式は2種類あります。

式内容向いている場面
設備利用率の式(この記事)年間発電量=容量×8,760時間×設備利用率。設備利用率は国が全国の実設備から集計した実測値(2025年14.1%)提案書の検算・回収計算。実際に設置された太陽光の平均値なので、屋根の向きや損失を含んだ現実の数字が出る
JIS C 8907の式(メーカーやNEDOのツール)年間発電量=地点の日射量(kWh/㎡/日)×総合設計係数×容量×365。日射量はNEDOの日射量データベース、係数は温度・汚れ・変換の損失をまとめたもの屋根の方位・角度を指定した個別の予測。係数の取り方で結果が1〜2割変わるので、出てきた数字を設備利用率に直して確かめる

メーカーの無料シミュレーション(京セラ・シャープなど)やNEDOの日射量データベースはJIS式の系統です。屋根の条件を入れられる利点がある一方、係数の前提が見えにくいので、結果は次の章の割り算で「設備利用率何%の予測か」に直してから使ってください。

太陽光発電の発電量の都道府県別の目安表

設備利用率14.1%は全国平均です。地域差は日射量に比例するとみなし、気象庁の平年値(1991〜2020年・各県庁所在地等の観測点)で按分した目安がこちらです。1kWあたりの年間発電量と5kW換算を併記します。

都道府県(観測点)年間日射量
(MJ/㎡・日)
年間発電量目安
(1kWあたり)
5kW換算
長野(長野)14.7約1,365kWh約6,825kWh
山梨(甲府)14.6約1,355kWh約6,775kWh
沖縄(那覇)14.5約1,346kWh約6,730kWh
宮崎(宮崎)14.4約1,337kWh約6,685kWh
高知(高知)14.3約1,327kWh約6,635kWh
静岡(静岡)14.2約1,318kWh約6,590kWh
鹿児島(鹿児島)14.0約1,300kWh約6,500kWh
愛知(名古屋)14.0約1,300kWh約6,500kWh
香川(高松)13.9約1,290kWh約6,450kWh
熊本(熊本)13.9約1,290kWh約6,450kWh
愛媛(松山)13.9約1,290kWh約6,450kWh
広島(広島)13.9約1,290kWh約6,450kWh
長崎(長崎)13.6約1,262kWh約6,310kWh
群馬(前橋)13.6約1,262kWh約6,310kWh
大阪(大阪)13.6約1,262kWh約6,310kWh
山口(下関)13.4約1,244kWh約6,220kWh
福岡(福岡)13.3約1,235kWh約6,175kWh
滋賀(彦根)13.2約1,225kWh約6,125kWh
大分(大分)13.2約1,225kWh約6,125kWh
佐賀(佐賀)13.2約1,225kWh約6,125kWh
奈良(奈良)13.1約1,216kWh約6,080kWh
栃木(宇都宮)13.0約1,207kWh約6,035kWh
島根(松江)12.9約1,197kWh約5,985kWh
東京(東京)12.7約1,179kWh約5,895kWh
福井(福井)12.6約1,170kWh約5,850kWh
宮城(仙台)12.5約1,160kWh約5,800kWh
福島(福島)12.4約1,151kWh約5,755kWh
新潟(新潟)12.4約1,151kWh約5,755kWh
山形(山形)12.4約1,151kWh約5,755kWh
富山(富山)12.4約1,151kWh約5,755kWh
岩手(盛岡)12.3約1,142kWh約5,710kWh
北海道(札幌)12.3約1,142kWh約5,710kWh
青森(青森)12.1約1,123kWh約5,615kWh
秋田(秋田)11.9約1,105kWh約5,525kWh

※茨城・埼玉・千葉・神奈川・石川・岐阜・三重・京都・兵庫・和歌山・鳥取・岡山・徳島は県庁所在地等での日射量観測が平年値の対象外のため掲載していません(隣接県の値が目安になります)。試算方法:全国実測の設備利用率14.1%を、観測地点の日射量平年値の平均(13.3MJ/㎡)を基準に按分。屋根の向き・勾配・影・積雪により実際は変動します。

全国トップの長野(約1,365kWh/kW)と最下位の秋田(約1,105kWh/kW)の差は約24%。

一方、設置費用の全国平均(28.9万円/kW)と上位30%水準(25.6万円/kW)の差は約13%で、訪問販売価格と適正価格の差はしばしば50%を超えます。つまり——住んでいる場所で決まる発電量の差より、あなたが決められる「買値」の差のほうが収支への影響は大きいのです。

当サイトでは、需要が多い地域について、日射量だけでなく電力会社の卒FIT買取価格・自治体の補助金・気候特有のリスクまで実査した記事を用意しています。該当する地域があれば、こちらのほうが正確に確かめられます。

業者の発電量シミュレーションを検算する

販売店の提案書には必ず年間予測発電量が載っています。検算はこの割り算だけです。

予測発電量(kWh)÷ 容量(kW)÷ 8,760時間 = その提案の設備利用率

  • 14%前後:全国実測の平均並み。妥当な予測です
  • 15〜16%:日射に恵まれた地域+好条件の屋根なら説明可能。根拠(方位・勾配・使用ソフト)を確認
  • 17%超:全国のどの地点の平年値からも説明しにくい水準です。「なぜこの数字になるのか」を確認し、答えが曖昧なら予測ごと疑ってください。過大な発電予測は、過大な回収シミュレーションの入口です

逆に、予測が妥当でも安心はまだ早い。次に見るのは設置費用です。発電量の予測が正しくても、設置費用32万円/kWを超える価格では20年で元が取れません(太陽光発電の設置費用の相場)。

太陽光発電の発電量シミュレーションのよくある質問

Q. 太陽光発電1kWで1日あたり何kWh発電しますか?

全国平均で1日約3.4kWh(年間約1,235kWh)です。5月前後の晴天日は5kWh前後、12月は2kWh前後まで下がります。

Q. 太陽光パネル10枚で何kWの発電量になりますか?

1枚の出力で決まります。2026年の住宅用は1枚440〜505W級が主流なので、10枚で4.4〜5.05kW、年間発電量は約5,400〜6,200kWhです。パネルの出力は太陽光パネルメーカーおすすめランキング|主要17社を公式スペックで比較で並べています。

Q. 5kWだと1日どれくらい発電しますか?

年間約6,176kWh(全国平均条件)を365日で割ると1日平均約17kWhです。ただし季節差が大きく、春の晴天日は25kWhを超え、冬の曇天日は数kWhということも普通です。月別のばらつきは地域で大きく違います(例:北海道の太陽光発電は損か=札幌は6月が東京の1.27倍・12月は6割)。

Q. パネルの向きや角度でどれくらい変わりますか?

この表は平均的な設置条件の目安です。真南から東西に振れると1〜2割程度目減りするのが一般的な目安で、北面設置は大きく不利になります(近隣への反射の問題もあり原則避けます)。正確な補正は現地調査に基づく業者の計算に任せ、出てきた数字を上の割り算で検算する——この役割分担が現実的です。

Q. 発電量の少ない県に住んでいたら、太陽光は損ですか?

地域差は最大でも約24%で、買値の差でひっくり返る範囲です。日射が少ない地域ほど「買っていい上限」が下がるだけで、成立しなくなるわけではありません(例:秋田でソーラーパネルは損か?=回収するうなら設置費用29万円/kWhまで)。

Q. 実際の発電量は予測からどれくらいズレますか?

この表は30年平均(平年値)ベースなので、個々の年は天候で上下します。また経年でパネルは少しずつ劣化します。設置後は売電明細の前年同月比を見る習慣をつけると、故障の早期発見にもなります(発電量の急落はパワコン故障のサインでもあります。パワコンの交換費用はいくらか)。

まとめ

覚えることは3つだけです。

  1. 年間発電量=kW×8,760×14.1%(全国実測)
  2. 地域差は日射量比で最大24%——上の表で自分の県の目安を知っておく
  3. 業者の予測は「÷kW÷8,760」で利用率に直して検算し、17%を超えたら根拠を聞く。

発電量の予測を自分で持てれば、あとは価格基準(25.6〜28.9万円/kW・元が取れる上限32万円/kW)と合わせて、提案書のすべての数字を自分で確かめられます。

 

そして、もし設置を考えているなら「ソーラーパートナーズ」を必ず利用してください。

個人でやるのは大変な「太陽光の相見積もり」を楽にできるので、価格面で損をするリスクを限りなく減らせます。見積もりも相談も完全無料で、費用は一切かかりません。

出典


調査・執筆:成田 風輝(ソーラー見積もりナビ運営者)。公的機関が公開する一次資料を自分で取得し、計算過程と出典・取得日を記事内に明記しています。元データは誰でも取得できるため、第三者が同じ手順で再現できます(運営者情報)。設備利用率・自家消費比率・売電価格は経済産業省 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月公表)、日射量は気象庁の平年値(1991〜2020年)を2026年8月に取得したものです。都道府県別の発電量は当サイトの試算(按分方法は本文注記のとおり)であり、個別の設置条件により変動します。特定メーカー・特定販売店からの広告料や情報提供は受けていません。